走る趣味はございません

自転車話のブログ。たぶん。

ミノウラとホーザンのセンターゲージ精度比較。まさかの結末。

HOZANのC-335を購入しました。
自転車のホイールワークで使用するリムセンターゲージです。
DSC01729.jpg

「C-335」というのは型番ではなく製品名の一部のようです。
パッケージにはYD-1023という型番らしき表記があります。
DSC01731.jpg

もともと振れ取り台&センターゲージはミノウラ製品(FT-1 COMBO)を使用していました。
振れ取り台(FT-1)は特に不満はありません。
作業台としての剛性感(安定感)は低くてもアマチュアの道具としては満足出来るくらいに縦振れ&横振れをじっくり追い込むことが可能です。
全く不満がないわけでもないのですが道具として期待する働きは果たしてくれます。
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ホイールの振れはJISだと1.0mmでOKとのことですが、
私の場合の横振れは大体紙1枚(コピー用紙0.09mm)を目安に妥協することにしています。
「バカヤロウ!スポーツバイクだったら紙1枚だと甘すぎだ!」というご意見を持つ方は多そうですがこれが自分なりの基準です。
ちなみに2:1組の縦振れはどうせ取りきれないので私の妥協点はかなり高いです。
とりあえず、これくらいの作業であればミノウラの振れ取り台で十分可能ということです。

紙1枚の目安は、本当に紙で調べるのではなくステンレス製の0.1mmシートを使っています。
切り取って、怪我をしないように紙やすりで外周を丸めたり微かに薄くしたり。
DSC01733.jpg

振れを追い込んだら検知アームとリムの隙間にシートを差しこんで、
「スっ」っと入らずに「ズズズっ」と入って落下しなかったらOKという判定です。
ParkToolの振れ取り台ならオプションの測定ダイヤルインジケーターを併用するとリアルな数値が分かるのでちょっと羨ましいです。
でも振れ取り台を買い替えることがあるなら国産の鋳造のやつ(絶版)がいいなって思ったり。
DSC01737.jpg

0.01mm単位で測定出来るミツトヨのダイヤルゲージなら工作道具として持っているのですが、
これをミノウラの振れ取り台にポン付けする方法はありません。
こんな風に取り付けられたらいいな・・・と思うのでいつか気が向いたら改造してみます。
DSC01739.jpg

問題は振れ取り台ではなくセンターゲージ(FCG-310)の方です。
センターゲージの使い方はゲージの両羽をリムに当てた状態で中心金具をハブのエンドに当ててロックします。
DSC01763.jpg

ロック状態のままホイールの反対側に当てて隙間やガタがなければセンターがとれていると判断します。
しかし、ミノウラのセンターゲージでは金具をロックすると必ずズレが生じます。
これが信頼性に欠ける一番の問題です。
DSC01762.jpg

他の問題点として、ゲージをリムにほんの少しでも強く当てると簡単にゲージが撓みます。
シビアなセンター調整をしたくても難しいです。

ミノウラのセンターゲージの私なりの使いこなし方法は、
金具とエンドの隙間をわざと1mm弱程度の隙間にしてロックをします。
その状態でホイールの両面を測定し、隙間が大体均等になっているかを確認してOKと判断しています。
また、リムに押さえつけたりせず軽く触れさせる程度にしておきます。
こんなやり方をしているので横振れを紙1枚まで追い込んでいてもセンターは下手すりゃ大きくずれているかも?という疑念が常にあります。
ホイールワークを完璧にこなしたという実感に欠けます。
DSC01752.jpg

そもそもの話ですが、ホイールが振れている場合はブレーキングをすればすぐに気が付きます。
でもセンターは多少ずれていたとしても大した問題でもなかったり…というのは鈍感な私だけの感覚なんでしょう。
ただ、そうはいっても完璧なホイールワークが出来た実感に欠けることが気持ち悪いんです。
そろそろいい道具を使いたくなってきたので、センターゲージの最高品質として方々で名の挙がるホーザンC-335の購入に至りました。

余談ですが、私は自転車屋さんの作業場に目が行く人です。
巷のスポーツバイクショップだと振取台&センターゲージはParkTool製品(TS-2.2,TSB-2)を使用していることが多いです。
ホーザンC330等の鋳物の振取台や本件のセンターゲージ(C-335)は老舗の一般車店で使用されることが多いように感じます。
ミノウラを使っているショップは一度だけ見たことがあります。
(自分の行動範囲だけの当てにならない情報です)


では、やーっと本題。

センターゲージとしては「最低品質(の気がする)ミノウラ」と「最高品質(との噂)ホーザン」を使い比べてみます。

まずは先にミノウラの方が明らかに優れている要素を紹介。
ミノウラのゲージは折りたためるので収納性が抜群にいいです。
折り畳んだ状態で比べると一目瞭然。
日本のDIY道具としてマッチするのがミノウラ最大のメリットです。
この理由によりミノウラしか選択の余地がないという人も多いのではないでしょうか。
DSC01743.jpg

ミノウラは重量が軽いです。
私は振れ取り中にセンターのアタリを大雑把につけるために
ホイールを振れ取り台に載せたまま時々センターゲージを当てて確認をするのですが、
軽いミノウラのゲージでは苦になりません。
しかし、ホーザンのゲージは800gもあるのでこのやり方は疲れるでしょう。
DSC09917.jpg


精度比較

それぞれのセンターゲージで作業結果を比べてみます。
ミノウラとホーザンでどれだけ違いがあるのか楽しみです。

まずはこれまで通りミノウラを使って振れ取り&センター出しを行います。
1か月半くらい前に組んだホイールです。
初期点検もかねて普段と同じ感覚で作業をします。

作業完了後のセンターゲージの状態です。
基準面↓
前述したように目視で大体同じ隙間と思えるようになるまでセンター調整する使いこなし術です。
DSC01752.jpg

反対面↓
DSC01756.jpg

センターゲージをホーザンに持ち替えてエンドにピタっとあわせる本来の使い方で測定します。
これまではそんな当たり前のことが出来ませんでした。
ピタっと当たるって気分がいいです。
基準面↓
DSC01758.jpg

反対面↓
(;・∀・)ハッ?
DSC01759.jpg

「どうせ紙2枚くらいのズレは平気であるだろう」という予想に反してパーフェクトでした。
光を当てても隙間は目視出来ません。
リムの複数個所で試しましたが全てジャストのセンターが出ていました。
ミノウラのセンターゲージを使ってここまでパーフェクトな作業が出来ていたことに驚きました。

結論としては、アマチュアが使うセンターゲージはわざわざ デカい、重い、高価なホーザンを買わなくてもミノウラで十分です。
時間に追われずしっかり作業をしていればミノウラで何の問題もありません。

とても性格の悪い捻くれた考え方をするなら
ミノウラを使っていると確実なセンターが出ることはないという強迫観念(?)で、
自分の眼力の限界までやれるだけセンターを追い込む気になれます。
ホーザンを使った場合は確実な結果が出るので0.2mm程度ずれていたことが分かったとしても
「これくらいなら無視してもいいか」と思ってしまい却って雑な作業になるかもしれません。
とはいっても、私は今後ホーザンのセンターゲージをメインに使います。
やはり、ピタっと確実な計測が見えることの喜びは大きいです。
自転車は走るよりもイジることが好きな人にはホーザンをおすすめします。
アマチュアなのにホーザンのセンターゲージを使っている人を見かけたら
「ははーん、さては走るよりいじる方が好きなタイプだなw」 と心の中で思ってあげましょう。

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テーマ:自転車 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2017/02/12(日) 10:26:58|
  2. カスタム・メンテ
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伝票向けの60mm穴開けパンチを作る

文房具を工作する話。

毎年1~3月頃は伝票整理や帳簿付けに追われて休みの日でも忙しいという立場の人がそれなりにいると思います。
私は整理の際に穴開けパンチを使っているのですが、これに問題あり。

ファイリングするために使う穴開けパンチの規格は80mm間隔。
これはISOに則っているようです。
DSC01726.jpg

ステーショナリー界では、パンチもファイルも規格通り80mmピッチが前提のようですが、
領収書や伝票だけが規格外の60mmピッチです。
この60mm間隔で穴を開けられるパンチは私が調べた限りでは存在しませんでした。
ネットで調べているとこのような伝票向けパンチを探している人はたくさんいるのですが、
メーカーさんは販売する気はないのでしょうか?
穴位置間隔をフレキシブルに移動出来る商品なら1品だけ見つかりましたが高価で大型のパンチです。

費用はかけたくないし小型がいいので作ることにします。
10年くらい前にダイソーで購入したミニサイズの1穴パンチがベースです。
1穴パンチでこれくらいのサイズの商品は少ないです。
1穴パンチは握りやすいように長い物が多いのですが、
今回の工作では2台を連結する必要があるため一般的な1穴パンチをベースにしたのでは大型パンチサイズになってしまいます。
出来るだけミニサイズを探したほうがいいです。
DSC01074.jpg

土台用のアルミ素材2mm厚の板
DSC01066.jpg

上部ハンドル用のアルミ素材5mm厚
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カットして平らにします。
手作業の平面出しは疲れるので潔くベルトサンダーに頼ります。
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皿ネジを開けたり…
パンチ本体にも穴を開けたり…
角を丸めたり・・・
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そんな感じで部品の準備が完了。
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組み込んだら完成。
無骨な見た目は気にしません。
それなりに厚いアルミを採用したので剛性感もバッチリで穴開け中に歪むことはありません。
DSC01146.jpg

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穴開けテスト。
ジャスト60mmの穴間隔。
これで伝票整理も捗ります。
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また次にこのようなパンチを作る機会が来たら、
通常の2穴パンチをグラインダーで切断して溶接で繋ぎ直そう…などと酔狂なことを考えています。

  1. 2017/02/05(日) 16:54:07|
  2. 工作
  3. | コメント:0

直付台座のFDを下げるWickWerks「Fit Link」という既製品

つい先日、直付けFD台座の自転車フレームでもFD固定位置を限界突破で下げる アダプターの製作記 を書きました。
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DSC01629.jpg

それを導入したすぐ後に知ったのですが、
2016年の後半にWickWerks「Fit Link」という製品が日本に上陸していたようです。
日本代理店のサイト
本国US公式サイト
DSC01685.jpg

FitLinkの構造は私が先日自作したアダプターと同じ考え方です。
自作したアダプターには満足しているつもりですが、
技術的興味があったので早速入手してみました。
武蔵小杉(神奈川県川崎市)のCYCLE CUBEの店頭購入で3590円です。
CYCLE CUBEに訪れるのは2年ぶり。
DSC01709.jpg

3590円という値段が高いか?安いか?
同種の一般流通製品が他に存在しないので基準はありません。
綺麗な加工を見れば高いとは感じないと思います。
ちなみに本国公式サイトの通販だと$29.95です。
日本国内でもほぼ同価格ということです(2017年1月現在)。

これを書いている2017年1月現在では日本国内のFitLink情報を探すとスポーツバイク専門店のブログが数件見つかる程度です。
もとよりニッチ市場の製品なので今後も大々的に普及することはないでしょう。

ちなみにパッケージ裏面や本国のサイトを読むと「ジュニアのロードレース」向けに想定されていることが分かります。
米国ではフロント52T+ジュニアカセットの組み合わせでレギュレーションを満たすことが通例のようですが、
これまで以上に優れた環境というコンセプトのようです。
このあたりは本国サイトに説明があります。
これ ↓ はパッケージの裏面です。
FitLinkURA.jpg

兎にも角にも自作する前にこれを先に知っていたとしたら
とりあえず手っ取り早く既製品のFitLinkを導入していたと思うので、
自作品と見比べる観点で見ていきます。
FD位置下げアダプターを欲している方が、自作するかFit Linkを購入するかの参考になれば幸いです。

では、比較レビュー開始。

まず、自作品に何か命名していないと文章が書きにくいので適当に決めます。
給水管をベースに製作したので水にちなんで「アーチ式フロントディレイラーダム」で。
略してアーチダム。
略してしまうと自転車のどの部品になるのかさっぱり分からないけど適当に決定です。
FitLink(フィットリンク)も名前だけ聞くと何のことやら、命名なんてそんなもんでしょう。
ちなみにアーチ式コンクリートダムはこれ。
P1007374.jpg


<素材>
アーチダムの素材は給水管がベースになっているのでステンレス(SUS304)です。
重いだけに頑丈です。
DSC01610.jpg

FitLinkは本国サイトも日本サイトも「アルミニウムCNC加工」と表記されているだけです。
同ブランドの他製品(チェーンリング)だと「7075」とジュラルミン系であることは明確に記載されていますが
FitLinkは曖昧に「アルミニウム」です。
ジュラルミン系ではなく6061か6063と一方的に決めつけます(論拠なし)
DSC01693.jpg


<重量>
アーチダムの部品一式です。
この状態で重量測定すると33gでした。
アダプター単体だと15gです。
DSC01632.jpg

FitLink一式は23.2gです。
アダプター単体だと7.8gです。
当然ながらステンのアーチダムよりもアルミのFitLinkの方が軽いです。
DSC01686.jpg


<既存台座との段差対処>
アーチダムではアダプター本体とは別部品にしているU型スペーサーがあります。
これにより既存台座との段差を解消しています。
DSC01658.jpg

FitLinkでは一体化されています。
素晴らしく美しいです。
自作の際に丸パイプではなく丸棒の左右から違う内径をくりぬいてスペーサーを一体化する形状は検討していたのですが、
自身の工作環境では無理だったので諦めた方法です。
DSC01692.jpg


<外径アール>
アーチダムは外径21.7mmのパイプから作成したのでFD用の湾曲ワッシャーとアールが合っていません。
これはパイプをベース素材にして製作する以上仕方のないことです。
湾曲ワッシャー側に加工を入れて、弧を沿わせるようにするのが妥当です。
DSC01638.jpg

FitLinkでは極めて精度の高い湾曲ワッシャーが付属しています。
CNC削り出しならではの完成度です。
素晴らしく美しいです。
DSC01700.jpg


<FDのボルト固定位置>
アーチダムはU型スペーサーの形状により台座の真下0mmからFDボルトの固定が可能です。
DSC01658.jpg

FitLinkでは台座の真下にFDを取り付けることは出来ません。
アダプターに1~2mmの取り付け不能な領域があります。
状況によっては台座の下部形状に沿うように削ってしまったほうがいいでしょう。
DSC01701.jpg

というのも・・・FDを大きく下げるとチェンステーにFDの羽が干渉する問題があります。
こちらの例は直付け台座の一番下にFD6800を取り付けた状態です。
genkaisage.jpg

このフレームでFDを台座の限界以上に下げて取り付けることを最初に検証した際、
台座下部0mmの位置に初代自作アダプターを使って試したのですが、
チェーンステーとFDの羽のクリアランスが1mmだったため安全マージンがなく事実上アウトでした。
仕方なくFDの羽の先端をグラインダーで1~2mmほど削りました。
(1年使って更に 1cm切断 しました)
これと同ケースだとしたらFitLinkの無加工の取り付けは出来ないということです。

チェーンステーにFDの羽がぶつかる問題は、
本国US公式サイト に改善策が書かれていますが主流のシマノ11速ではなく10速環境に限定される方法です。
10速環境とはいっても現行のTiagra4700系は11速と同構造のため無理だと思われます。
SORA R3000系も無理なように思えますが試したわけではない妄想です。
一言でまとめるなら7900系DURA-ACEの世代までならチェーンステーに干渉しても回避策があるということです。


<アダプターの厚み>
K-Edge等の一部チェーンキャッチャーはFD固定部に取り付けますが、
それを使用するとボルト頭が前方にかなり飛び出します。
FDアダプターの厚みによってはシートチューブのドリンクボトルに干渉することが考えられます。

アーチダムは厚さ2.3mmのため私の環境では干渉していません。
DSC01674.jpg

FitLinkは厚みが6mmほどあるため私の環境ではボトルと干渉しそうです。
K-Edgeのチェーンキャッチャーを諦めるか、
ボトルケージの位置をスペーサー等を使って変更することになります。
・・・そのどっちも妥協したくない、という人は多いと思いますが諦めるしかありません。
DSC01714.jpg

最後に・・・
パッケージに記載されていますが、
FitLinkは50,53Tに対応している直付台座を同社の41Tギアでも使えるようにすることが目的のパーツです。
よって、その中間付近の44Tや46Tのアウターギアを使おうとしても無理なことが多いように思えます。
これは直付台座の枠部分の位置にFDをセットする必要があるケースのことです。
私が自作したアーチダムにも同じことが言えます。

もう一つ、どうでもいいこと。
FitLinkはシマノDi2には対応していないことが本国US公式サイトに記載があります。
Di2だけを名指しで使用不可を明言するということは、
それ以外のカンパ、SRAM、FSAの電動シフトコンポなら対応可能ということでしょうか?
・・・と屁理屈を思いつくのは性格の悪い捻くれ者だけです。

以上、FitLinkの机上レビューでした。
今のところ自転車に取り付けてはいません。
今は自作したアーチダムの実走検証中なのでFitLinkは観賞用です。

  1. 2017/01/17(火) 23:42:46|
  2. ギア周辺
  3. | コメント:0

直付台座のFDを限界突破で下げる工作(アウター40T)

私がメインに乗っているロードバイクはフロントアウターがスギノの40Tでリアは11-23Tです。
まともなロードバイク乗りなら「ハァ!?」と思うことでしょう。
硬派なショップに見せれば「ド貧脚」と内心バカにされるという被害妄想。
DSC00627.jpg

自分が軽量級ということもあって、平坦路でごく普通の巡航時に一番疲れなく走れるケイデンスは100くらいです。
よくあるアウター50Tを使っても平坦の単独全力スプリントのMAXは所詮50km/h前半程度の脚力しかありません。
更に言えば峠の下りでは踏みません。

現状のFアウター40T+Rトップ11Tでも全開ケイデンスで回せばアウター50Tと同じく50km/h前半は出ているのでこれで何も問題はありません。
そもそもそんな速度は自分には長時間維持し続けることが出来ないスピードです。
このアウター40Tに至るまではトップ14Tのスプロケを組み換えたり幾つかの手法を試しましたが、
今のところギア構成を検討する沼からは抜け出しています。
ギアチェンジを頻繁にしたい人なので11-23Tのクロスレシオ感はとても自分に合っています。
DSC01667.jpg

しかし、脚力に対するギア比の問題がなくともディレイラー周りのメカニカル面に問題があります。
フレームにFD直付台座がリベット打ちされている場合は、
小さなアウターギアにあわせてFD位置を下げたくてもFD直付台座の位置は固定されているため下げられません。
限界まで下げてもこんな感じです。
genkaisage.jpg

一部フレームのFD直付台座はボルト留めなので外すことが可能です。
且つ、真円のシートチューブであれば状況次第でFDバンドを使えます。
実際に自分はそうやっていたこともあります。
DSC01623.jpg

但し、大多数のFD直付台座はリベットで固定されているため外せません。
DSC01649.jpg

リベットをドリルで破壊して台座の撤去はやろうと思えば可能です。
かつて、わけあって大量のリベットをドリルで破壊した経験があります。
でも出来ることならフレームは何もいじりたくないです。
仮に台座を撤去したとしてもカーボンフレームの場合はリベット穴が複数開いている付近にFDバンドを固定するのは強度に不安があります。
そもそもリベットを破壊してまで対処する覚悟があれば小ギア対応のFD台座(ロング版)を自作して再度リベット留めをしたほうがいいでしょう。
あの形状を削り出しで正確に作る工作の難易度は高そうですが(自分は無理)。

そんなわけで、私は直付台座に自作のしょぼいFD位置下げアダプターを使用して対処をしていました。
FD表

このアダプターは外径19mm、内径17mm、厚さ1mm、のステンレスパイプから切り出して作成したものです。
DSC08629.jpg

これによってアウター40Tでも変速出来るようになったので差し当たって問題は無かったのですが剛性感の乏しさから満足はしていません。
とはいっても走行1万キロ以上、普通に使えていましたけどね。


~~~やっと本題~~~

アダプターの剛性感が乏しいなら頑丈で厚みのある素材で作ればいいだけです。
というわけでアダプターの作り直しです。

まず前提としてFD台座には統一規格(?)があります。
複数個体を実測すると物によっては微妙に違うのですが大体がこの寸法です。

外側アール:φ17
内側アール:φ10
FD取り付け部の厚み:3.5mm
DSC01643_2.jpg

台座外側のボルトヘッド面に沿わせるアダプターを作るなら内径17mmのパイプから作れるのですが、
内径17mmで現状よりも肉厚&頑丈な素材のパイプがなかなか見つかりません。

数件のホムセンをうろちょろして目を付けたのがこちら。
水道用品コーナーに売っていたステンレス製の「ロングニップル」です。
ようするに給水管です。税抜338円。
DSC01610.jpg

売り場の陳列商品をノギスで一つづつ調べたところ
工業製品にも関わらず寸法は0コンマ以下程度ながら個体差があります。
出来るだけ内径が目標値に近い物を選別して購入しました。

購入した物の実測は下記の通り。
これだけ厚みのあるステンレスパイプなら玄翁でぶっ叩いたとしても凹ませることは困難です。

外径:21.7mm
内径:16.8mm
厚み:2.5mm
DSC01621.jpg

これをカットして竹割にします。
パイプの切断前にまずは治具作り。
適当な端材にφ19のホールソーで穴を開けます。
IMG_20170107_134404.jpg

糸ノコ盤で細かく切断。
IMG_20170107_135003.jpg

卓上ベルトサンダーで整形して治具は完成。
IMG_20170107_140129.jpg

作成した治具にパイプを挟み、万力に固定したらディスクグラインダーで縦と横に切断します。
IMG_20170107_140951.jpg

騒音作業の末、3枚おろしにしました。
IMG_20170107_174156.jpg

FD台座に現物あわせをしてFD固定ボルトの穴を開けます。
厚み2.5mmのステンレスに穴を開けるので一般的な鉄工ドリル刃では無理でしょう。
ステンレス用のドリル刃が必要です。
M5のボルトを通す穴はFDの位置調整のため5.0mmではなく6.0mmにしておきます。
この6.0mm幅というのはFD台座の統一規格(?)です。(例外あり)
IMG_20170107_184614.jpg

バリをとったり、仕上げをしたら完成。
ステンレスなので磨き上げればピカピカです。
大と小を作りました。
重量は大15g、小10gです。
DSC01629.jpg

一式はこちら。
右から・・・

●M5ボルト
●湾曲ワッシャー
●自作アダプター
●自作の丸ナット10mm径&不要なFD台座を切り取ったスペーサー

DSC01632.jpg

ロードバイクに取り付けます。
FD台座を切り出したスペーサーを入れることで既存台座との段差が出来ないようにします。
取り付け中に落下しやすいので極薄の両面テープで仮固定しています。
スペーサーはU型なので直付台座の真下0mmからFDボルトの固定が可能です。
DSC01658.jpg

いい感じ。
何度も素早く変速する負荷をかけても平気です。
もう少し下げた方がいいように見えるとは思いますが、
斯く斯く然々で固有の心配があるのでとりあえずこの位置にしています。
変速やチェーン落ちは全く問題ありません。
DSC01663.jpg

このフロントディレイラーはFD6800ですが羽の先端を1cmほど短く切断&溶接しています。
詳しくは 以前の記事 にて。

FDを取り付ける前後方向の位置は元々のFD台座位置と同じなので、
FD6800のサポートボルトはちゃんとフレーム側のバックアッププレートに届いています。
ちなみにこのサポートボルトは標準の12mmではなく少し長いものに交換しています。
標準の12mmだとシートチューブのFD逃がし凹みが影響して届きません。
DSC01668.jpg
今回作成したアダプターとは違う形状で、
FDの取り付け面側に丸棒状のアダプターを取り付けることも少し考えたのですが、
FDの前後位置が標準位置よりも後方になるとサポートボルトが届かなくなりそうだったので廃案にしました。
丸棒アダプターのFD取り付け面を大きく窪ませるような加工を丸棒に施せばサポートボルト問題は解決出来そうですが、
そんな難度の高い加工は自分は無理です。


このアダプターの厚みは元々2.5mmです。
仕上げの際に削られたことにより最終的には2.3mmになりました。
FDの固定ボルトの頭も前方に2.3mm移動することになります。
K-Edgeのチェーンキャッチャー&湾曲ワッシャーを使っているので、
シートチューブのボトルに干渉しないか少し心配だったのですが、
2.3mmくらいなら何も問題ありませんでした。
DSC01674.jpg

作成したアダプターに使用したパイプの外側アールは21.7mm。
FD用の湾曲ワッシャーではアールがあっていません。
湾曲ワッシャーもアダプターの21.7mmアールにあわせて削るか自作した方がよさそうです。
そのうちやります。
DSC01638.jpg

数千キロ走った時にアダプターが歪まないか?・・・これはやってみないと分かりません。
たぶん大丈夫だとは思うのですが、もし歪むことがあれば別素材で作り直しです。
内径17mmで強固なパイプの次候補としてはインパクト用17mmロングソケットを想定しているのですが、
加工が困難なほど強固なドナーになるのでドリル刃が負けそうな予感です。
無理感が漂っているので、あんなものを加工することを考えただけで気持ち悪くなります。

  1. 2017/01/10(火) 22:50:05|
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OnebyESU ジェイカーボン グランモンロー

OnebyESU(ワンバイエス)ジェイカーボン グランモンローという東京サンエスのカーボン製ドロップハンドルを購入しました。
3万円近い出費です。
高価な自転車パーツの購入は久しぶりです。
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何年か前の展示会で「Fit ZONE」という独自技術を知り、ずっと気になっていてやっと購入。
「Fit ZONE」は東京サンエスで2017年1月現在、3種の製品に採用されています。

●ジェイカーボン グランモンロー
●ジェイフィット エバーFZ
●ジェイフィット アークFZ

選択肢が複数ある時、私は一番安価な製品に飛びつくことが多いのですが、
一番高価なジェイカーボングランモンローにはFitZone以外の特徴も魅力的に思えて選択した次第です。
カーボンによる軽量化とか衝撃吸収性は二の次と考える人なので、
仮にまったく同形状で安価なアルミ製の商品があればそれを選択していたと思います。

・・・というのはまさに机上の空論みたいなもので、
グランモンローの形状はカーボンならではの独特な整形です。
仮にアルミ素材で無理やり同じ形状を実現させた方が高価になってしまうかもしれません。

グランモンローと同程度の出費で「3T」や「S-Works」などブランド力の高いカーボンハンドルも購入可能ですが、
むしろ自分は東京サンエスが好きなのでOneByESUやDixnaこそ至高です。
Japanese Fit = 日本人体系向けのコンセプトが嬉しいです。


それでは、グランモンローの各部を見ていきます。

実測重量(380/400mm):219g
DSC01585.jpg

Fit Zone。
シフターを取り付ける下部が潰れている形状です。
カタログを見ると平らになっているような印象を受けますが、
現物に触れると平らではなく極僅かに凹んでいるのが分かります。
DSC01573.jpg

どれくらい隙間が出来るかはシフターの設定や取り付け位置で当然ながら異なります。
でもFitZoneの効果がどんなもんか?参考値でもいいから数値で教えてほしいですよね。
私は購入を検討している時にそう思いました。
この写真はST6800のレバー調整シロをめいいっぱい解放した状態でスケールを当てています。
シフターの取り付け位置は概ね水平です。
これだけ隙間があれば小指までガッチリ握れる人の方が多いでしょう。
DSC01601.jpg

FitZoneの形状のせいでシフター取り付けのクランプ挿入がとてもきついです。
グイグイと前後に回し押し込んでやっと入りました。
ちょっと無理やり感があります。
クランプ直下の白くなっている部分はグイグイ押し込んだ結果です。
せっかく高価なハンドル、一生物のつもりで使いたかったのにいきなり傷をつけて鬱です。
ここはスムーズに入る形状に改善してほしいところです。
DSC01593.jpg

ブレーキ&シフトワイヤーは下通しの凹みが付いています。
アクセサリーホルダー等、ハンドル前方に迫り出すアイテムを使っている人なら
ワイヤーは前通しよりも下通しハンドルの方が取り回しがよくなると思います。
DSC01592.jpg

ステムやアクセサリーの取り付け部分(31.8mm径の部分)は広めです。
こういうところは日常使用での実戦向きです。
レースという意味での実戦派の方にはどうでもいいことだと思いますが。
ちなみに中心にプリントされた線は1mm以上ずれています。
寸法を実測せずにプリントを信じて中心線の中央にステムを取り付てしまう人は絶対いると思いますよ。
メーカーさんに改善してほしいですね。
DSC01566.jpg

真ん中から左右の肩が上方向に5mm上がっています。
ひっくり返して置いてみるとよく分かります。
両肩に支えられて中心の下部は宙に浮きます。
DSC01577.jpg

上から見ると極端に言えばWの形状です。
ステムクランプ部から後ろ方向に5mm戻る形状です。
グランモンローは最小360mm~最大440mmまで全サイズがショートリーチ68mmですが、
W形状により更なるスーパーショートリーチ63mmを実現しています。
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以上、スペックレビューでした。
とにかく形状が独特でアイデア満載です。

使い心地を重視したハンドルです。
強烈な前傾姿勢には向いていません。
サイクリング、ロングライド、シクロクロス、そういった方々に向いているように思います。
ただし、レース派ではない方だとハンドルに3万円の出費はなかなか難しいですね。
私は購入する踏ん切りがつくまで2年以上かかりましたw

雑誌にありがちな「乗り味がどうのこうの」みたいなことを書けば書くだけ嘘臭くなるので実使用時の感想は控えておきます。

  1. 2017/01/07(土) 00:01:56|
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